「最近、愛猫の抜け毛が急に増えた」「ソファも服も毛だらけで、こんなに抜けて大丈夫?」と不安になっていませんか。その抜け毛の多くは、季節の変わり目に起こる「換毛期」の自然な現象です。ただし中には、皮膚病など受診が必要なサインが隠れていることもあります。この記事では、正常な換毛期の抜け毛と病気の抜け毛を見分けるポイントを、受診の目安とあわせて解説します。さらに、毎日の掃除やブラッシングをラクにするコツも紹介します。読み終えるころには「うちの子は大丈夫」と安心でき、今日からケアの負担を減らせます。
この記事でわかること
- 猫の換毛期がいつ来て、どのくらい続くのか
- 正常な抜け毛と、病気の抜け毛を見分けるポイント
- 動物病院を受診すべきサイン
- 換毛期に注意したい「毛球症」の症状と予防法
- ブラッシング・掃除・食事でできる抜け毛対策
猫の換毛期とは?いつからいつまで続く?
換毛期とは、季節の変わり目に古い毛が抜けて、新しい毛に生え変わる時期のことです。猫は気温の変化に備えて毛を入れ替えます。まずは時期と仕組みを知り、抜け毛が増える理由を押さえましょう。
換毛期はいつ?年2回ある理由
猫の換毛期は、春と秋の年2回訪れます。春は3月から5月ごろ、秋は10月から11月ごろが目安です。抜け始めてから終わるまでは、おおよそ30〜60日ほど続きます。
春と秋で毛の役割は変わります。春は夏に向けて、通気性のよい毛に生え変わります。秋は冬に向けて、保温性の高い毛に生え変わります。冬毛はやわらかく抜けると舞いやすいため、春のほうが「抜け毛がすごい」と感じやすいです。
室内飼いだと換毛期がない・一年中抜けるのは普通?
「うちは室内飼いだから換毛期がはっきりしない」という声もよく聞きます。これは異常ではありません。室内はエアコンで一年中快適なため、季節の温度差を感じにくく、換毛期がぼんやりすることがあります。その結果、一年を通して少しずつ毛が抜ける子も多いです。
換毛期の抜け毛はどのくらいなら正常?
結論から言うと、換毛期の抜け毛は、地肌が見えるほどでなければ基本的に正常です。健康な換毛期では、毛は全身からまんべんなく抜けます。撫でると手に毛がつき、ブラッシングでごっそり取れても、それ自体は心配いりません。
抜け毛の量は、毛の長さや種類で差があります。
- 短毛種:抜け毛は目立ちにくいが、短い毛が衣類に刺さりやすい
- 長毛種:抜け毛の量が多く、毛玉やもつれもできやすい
- ダブルコートの猫(アメリカンショートヘアなど):下毛が密で抜け毛が特に多い
自分の猫の毛質を知っておくと、抜け毛の量に振り回されずにすみます。
【最重要】正常な換毛期と病気の抜け毛の見分け方
ここが一番大切なポイントです。換毛期の抜け毛と、病気による抜け毛は、いくつかの特徴で見分けられます。毎日のブラッシングのときに、毛だけでなく皮膚の状態もチェックしましょう。
次のような状態なら、正常な換毛期の可能性が高いです。
- 全身からまんべんなく抜けている
- 地肌が透けて見えるほどのハゲはない
- かゆがったり、しきりに舐めたりしていない
- 皮膚に赤み・フケ・かさぶたがない
- 食欲や元気はいつもどおり
反対に、次のサインがあれば病気が隠れているかもしれません。
- 円形や部分的に地肌が見えるほど抜けている
- 左右対称に毛が薄くなっている
- 同じ場所をしきりに舐める・かきむしる
- フケ・赤み・かさぶたなど皮膚に異常がある
- 食欲がない・元気がない
とくに左右対称の脱毛や、フケをともなう円形の脱毛は注意が必要です。左右対称に薄くなる場合は、アレルギーやホルモンの病気が関わることがあります。フケやかさぶたのある円形脱毛は、皮膚糸状菌症という真菌の感染が疑われ、人にうつることもあります。また、皮膚に異常がないのに同じ場所を舐め続けて毛が薄くなるときは、ストレスが原因のこともあります(参考:猫もストレスを感じるの?原因や解消方法)。気になる症状があれば、自己判断せず動物病院で診てもらいましょう。
こんなときは動物病院へ|受診すべきサイン
迷ったときの判断基準として、受診を考えたいサインをまとめます。次のいずれかが当てはまるなら、早めに動物病院へ相談しましょう。
- 地肌が見えるほど、一部分だけ毛が抜けている
- 皮膚に赤み・かさぶた・ただれがある
- かゆがって、血が出るまでかきむしる
- 左右対称に毛が薄くなってきた
- 抜け毛とともに、食欲不振や元気のなさがある
- フケが急に増えた・毛がパサつく
皮膚の異常やかゆみは、放っておくと悪化することがあります。「ただの換毛期」と決めつけず、いつもと違うと感じたら受診してください。
換毛期に注意したい毛球症|吐く・食欲不振のサイン
換毛期にもう一つ気をつけたいのが「毛球症(もうきゅうしょう)」です。毛づくろいで飲み込んだ毛が胃腸にたまり、うまく排出できなくなる状態をいいます。抜け毛が増える換毛期は、毛球症のリスクも高まります。
次のようなサインが見られたら、毛球症を疑いましょう。
- 吐こうとして、何も出ない動作を繰り返す
- 食欲が落ちている
- 便秘や下痢が続く
- お腹を触られるのを嫌がる
胃腸にたまった毛が大きくなると、投薬では出せず手術が必要になることもあります。嘔吐や食欲不振が続くときは、早めに受診してください。毛玉を吐く原因は換毛期以外にもあります。詳しくは猫が吐く9つの理由と対策完全ガイドもあわせてご覧ください。食欲不振が気になる場合は猫がご飯を食べない6つの原因と対処法も参考になります。
今日からできる抜け毛・掃除対策
見分け方がわかったら、最後は毎日の負担を減らす番です。ブラッシング、掃除、食事の3つを工夫すれば、抜け毛のストレスはぐっと軽くなります。
ブラッシングで抜け毛を先取りする
抜け毛対策の基本はブラッシングです。換毛期は短毛種で1日1回、長毛種は1日2回を目安に増やしましょう。飲み込む前に抜け毛を取り除けるので、毛球症の予防にもなります。
ブラッシングを嫌がる子には、無理は禁物です。最初は首や背中など、触られて嫌がりにくい場所から始めます。1回数分で切り上げ、終わったら褒めると少しずつ慣れていきます。
掃除はひと工夫でラクになる
床や家具に積もる毛は、工夫しだいで集めやすくなります。
- ゴム手袋で布製品を撫でると、毛がまとまって取れる
- 掃除機の前に軽く霧吹きをすると、毛が舞い上がりにくい
- 空気清浄機で、空中に舞う毛を吸い取る
毎日少しずつ続けると、毛だらけの部屋から解放されます。
食事やサプリで体の中からケアする
毛玉ケア用のフードやサプリも、毛球症対策に役立ちます。飲み込んだ毛の排出を助ける成分が入ったものを選ぶとよいでしょう。新しく取り入れるときは、かかりつけの獣医師に相談すると安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. 換毛期はどのくらい続きますか?
抜け始めてから終わるまで、おおよそ30〜60日が目安です。春と秋の年2回あり、室内飼いでは一年中だらだら続くこともあります。
Q. 換毛期にシャンプーは必要ですか?
必須ではありません。短毛種は換毛期の年2回ほど、長毛種は月1回ほどが目安です。嫌がる子は無理にせず、ブラッシング中心でも問題ありません。
Q. 抜け毛がすごいのですが、病気ではありませんか?
全身からまんべんなく抜け、地肌が見えるハゲや皮膚の異常がなければ、多くは正常な換毛期です。部分的なハゲやかゆみがあるときは受診を検討しましょう。
Q. 換毛期の抜け毛を完全に止められますか?
換毛期の抜け毛は自然な現象なので、完全に止めることはできません。ブラッシングと掃除で、量を減らして管理するのが現実的です。
Q. 子猫やシニア猫にも換毛期はありますか?
子猫は生後半年ごろから大人の毛に生え変わり、その後は年2回の換毛期を迎えます。シニア猫も換毛しますが、毛づくろいの力が落ちて抜け毛が残りやすいので、ブラッシングで手伝ってあげましょう。
まとめ
猫の換毛期は、春と秋に毛が生え変わる自然な現象です。抜け毛が増えても、全身からまんべんなく抜け、皮膚に異常がなければ心配いりません。一方で、地肌が見える脱毛やかゆみ、左右対称のハゲは病気のサインのこともあります。見分けるポイントを知っておけば、「うちの子は大丈夫」と安心でき、必要なときには迷わず動物病院へ動けます。
そして、ブラッシングと掃除を毎日少し続ければ、抜け毛の負担はぐっと軽くなります。換毛期を上手に乗りきって、愛猫との毎日をもっと心地よく過ごしましょう。
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