猫がすりすりと体や顔をこすりつけてくると、可愛い反面「これって愛されているの?」「何か要求しているの?」と気になりますよね。結論からお伝えすると、猫のすりすりはほとんどが愛情と安心のサインです。猫は信頼している相手にしか、自分のニオイをつけにきません。
この記事では、猫がすりすりする6つの理由を、行動の意味から飼い主さんへの上手な応え方まで丁寧に解説します。あわせて、ごく一部だけ存在する「注意が必要なすりすり」の見分け方もお伝えするので、安心して愛猫の気持ちを受け取れるようになります。
この記事でわかること
- 猫がすりすりする6つの理由と気持ち
- 顔・足元・体など部位でわかる意味の違い
- すりすりへの上手な応え方
- 注意が必要なすりすり(病気・痛みのサイン)の見分け方
猫がすりすりするのはなぜ?まず知ってほしいこと
猫が飼い主さんにすりすりしてくる行動は、その多くが愛情・安心・信頼の表現です。警戒している相手や苦手な人に、猫はわざわざ体をこすりつけにいきません。すりすりされるということは、あなたが猫にとって安心できる「仲間」だと認識されている証拠です。
その仕組みのカギになるのが、猫の体にある「臭腺(しゅうせん)」という器官です。臭腺はフェロモンというニオイ成分を出す分泌腺で、猫はここを相手にこすりつけてニオイをつけます。まずはこの臭腺を軸に、6つの理由を見ていきましょう。
猫がすりすりする6つの理由
1. マーキング(自分のニオイをつける)
すりすりの最大の目的はマーキングです。猫の臭腺は、こめかみ(額の横)・口角・あごの下・しっぽの付け根・肉球などに集中しています。これらの部位をこすりつけ、フェロモンを残すことで「ここは自分のテリトリー」「これは自分のもの」と主張しているのです。
2. 仲間のニオイを作る
猫は自分のニオイと飼い主さんのニオイを混ぜ合わせ、「仲間共通のニオイ」を作ろうとします。同じニオイをまとうことで、猫は安心感を得られます。あなたにすりすりするのは、あなたを群れの一員として大切に思っているサインです。
3. 甘え・スキンシップ
「撫でてほしい」「そばにいたい」という甘えの気持ちでもすりすりします。子猫が母猫に体をすり寄せる行動の名残ともいわれ、信頼している相手に向けられる行動です。ゴロゴロと喉を鳴らしながらのすりすりは、とくに満足度の高い甘えのサインです。
4. 要求(おねだり)
「ごはんがほしい」「遊んでほしい」という要求のときもすりすりします。とくに朝や食事の前にすり寄ってくる場合は、空腹のおねだりであることが多いです。鳴き声とセットだったり、ごはんの置き場へ誘導したりする動きがあれば、要求の可能性が高いと考えてよいでしょう。
5. 帰宅時のあいさつと安心の上書き
外出から帰った飼い主さんに猫がすりすりするのには、はっきりした理由があります。飼い主さんが外で他のニオイをつけて帰ってくると、自分がつけたニオイが薄れてしまいます。そこへ自分のニオイを上書きし、慣れ親しんだ「仲間のニオイ」に戻して安心しているのです。
6. テリトリーや関係の確認
家具の角や柱など、物にすりすりするのも同じ臭腺によるマーキングです。生活空間に自分のニオイを行き渡らせ、「ここは安心できる縄張り」と確認しています。引っ越しや模様替えのあとにすりすりが増えるのは、新しい環境を自分のニオイで安心できる場所に整えているからです。
部位でわかる気持ちの違い(顔・足元・体)
どこをすりすりしてくるかでも、気持ちのニュアンスが少し読み取れます。臭腺が集まる顔まわりは、とくに親密なニオイ付けの部位です。
- 顔(ほほ・あご・口元):臭腺が最も集中する部位。親愛とマーキングの強いサインで、帰宅時やリラックス時に多く見られます
- 足元・脚:人の足にこすりつけるのもマーキングの一種。あいさつや軽い甘え・要求を兼ねていることが多いです
- 体の脇・しっぽを巻きつける:体全体を密着させるのは、より深い安心と信頼の表れです
すりすりへの上手な応え方
すりすりは愛情のサインなので、できるだけ気持ちに応えてあげると猫との信頼関係が深まります。応えるときのポイントは、猫の臭腺がある場所を優しく撫でてあげることです。
ほほ・あごの下・耳のうしろ・額は、猫が自分でこすりつけたい臭腺の部位なので、撫でられると満足度が高い場所です。逆に、お腹やしっぽの先、足先は触られるのを嫌う猫が多いので避けましょう。すりすりに気づいたら、名前を呼んで穏やかに声をかけ、ゆっくり撫でてあげるだけで猫は十分に満たされます。
すりすりの最中やそのあとに、急にガブッと甘噛みしてくることがあります。これは多くの場合、気持ちが高ぶった「愛情のあらわれ」です。痛いときは無理に手を引かず、そっと動きを止めて落ち着くのを待ちましょう。
甘噛みや猫の気持ちのサインをもっと知りたい方は、猫の頭突きの意味と理由や猫の「ふみふみ」6つの理由もあわせてご覧ください。すりすりと同じく、愛情や安心からくる行動です。
すりすりされやすい人・されにくい人の違い
同じ家の中でも、よくすりすりされる人とそうでない人がいます。されやすいのは、猫に好かれている人です。大きな声や急な動きが少なく、猫が嫌がる距離まで踏み込まない、落ち着いた接し方ができる人ほどすりすりされやすい傾向があります。
反対に、構いすぎたりじっと見つめすぎたりすると、猫は少し苦手に感じることがあります。ただし、すりすりの頻度は性格による個体差がとても大きいです。あまりすりすりしてこない猫でも、それだけで嫌われているわけではありません。そばで安心して眠る、近くに来るなど、他のサインで愛情を示している場合も多いです。
注意が必要なすりすり(病気・痛みのサイン)
すりすりの大半は心配のいらない愛情表現です。ただし、ごく一部に体調のサインが隠れていることもあるので、見分け方を知っておくと安心です。ポイントは「すりすり単体」ではなく、「いつもと違う変化や他の症状を伴うか」で判断することです。
顔を執拗にこすりつける場合
顔まわりばかりを家具などに激しくこすりつける場合は、口内炎・歯のトラブル・皮膚のかゆみ・目や耳の不快感など、その部位の違和感が原因のこともあります。よだれ・食べづらそうな様子・頭を振る・赤みなどを伴うときは、動物病院で診てもらいましょう。
急にすりすりや鳴き声が増えた場合
中高齢の猫で次のような変化が出たときは注意が必要です。すりすりや鳴くことが急に増え、よく食べるのに痩せる・水をたくさん飲む・落ち着きがなくなるといった様子があれば、甲状腺機能亢進症などのホルモンの病気が隠れていることがあります。この病気は主に中高齢で増え、8歳以上での発症が多いと報告されています。当てはまる様子があれば、早めに血液検査を受けると安心です。
次のような様子が続くときは、すりすりが多い・少ないにかかわらず動物病院に相談しましょう。
・特定の部位を執拗にこすりつけ、赤みや脱毛、よだれがある
・食欲や体重、飲水量、鳴き方など普段との違いが目立つ
・元気がない、隠れる、触ると嫌がるなど行動の変化がある
よくある質問(FAQ)
Q. すりすりしてくれないのは嫌われているからですか?
いいえ、必ずしもそうではありません。すりすりの頻度は性格による個体差が大きく、もともとあまりしない猫もいます。近くで安心して眠る、目を細めてゆっくりまばたきするなど、別の方法で信頼を示していることも多いです。
Q. すりすりしながら噛んでくるのはなぜですか?
気持ちが高ぶったときの愛情表現であることが多いです。撫でられて満足しすぎたり、興奮したりすると、つい軽く噛んでしまうことがあります。痛い場合は手を急に引かず、そっと動きを止めて落ち着くのを待ちましょう。
Q. 帰宅するたびに毎回すりすりしてきます。問題ありませんか?
問題ありません。むしろ良い関係のサインです。外のニオイで薄れた「仲間のニオイ」を、自分のニオイで上書きして安心しようとしている自然な行動です。気持ちよく受け止めてあげましょう。
Q. すりすりが急に増えたのですが大丈夫ですか?
多くは甘えや環境の変化への反応ですが、痩せる・よく飲む・鳴き方が変わるなど他の変化を伴うときは念のため受診をおすすめします。とくに中高齢の猫は、ホルモンの病気が隠れていないか確認しておくと安心です。
まとめ
猫のすりすりは、そのほとんどが愛情・安心・信頼を伝える嬉しいサインです。臭腺をこすりつけて自分と飼い主さんの「仲間のニオイ」を作り、安心できる関係を確かめています。すりすりされたら、ほほやあごの下を優しく撫でて、ぜひその気持ちに応えてあげてください。
注意したいのは、顔を執拗にこすりつける、急に頻度や鳴き声が変わる、痩せるといった「いつもと違う変化」を伴うときだけです。それ以外のすりすりは、あなたが愛されている何よりの証拠です。今日からは安心して、愛猫のすりすりを受け止めてあげましょう。
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