日本にはどんな種類の猫がいるんだろう?
あれ?猫って外来種なのかな?
今回は日本猫の歴史を見ていこう❗
日本の猫の固有種と聞いて、思い浮かぶ人はどれだけいるでしょうか?
犬であれば、秋田犬、甲斐犬、紀州犬など、すぐ思い浮かびますよね。
ところが、猫になると、すらすら言える人は多くありません。
実は、日本にも猫の固有種がいるんですよ!
今回は、日本に生息する無数の猫の種類について考えてみましょう。
日本の猫って外来種?固有種?
実は、このタイトルには大きな誤りが含まれています。
そもそも、固有種や外来種って、何なのでしょうか?
まずは、その意味について考えてみましょう。
外来種だから固有種ではないとは言えない
ある特定の地域にしか分布していない動物を固有種と呼びます。
それに対し、一定の地域に人間が持ち込んだ動物を外来種と呼びます。
つまり、もともと両者は異なるカテゴリーで、人間の区切り方や行動次第で、固有種かつ外来種という場合だってあることになります。
しかも、ペットとしての猫、いわゆるイエネコは、今や世界中に生息しています。
ですから、猫をひとくくりに外来種と決めつけたり、固有種と対立する種と判断したりすることは、適切とは言えません。
日本の猫を考える場合、「固有種」というより日本猫という言葉のほうが正しい意味合いになるかもしれません。
外来種という点では犬も猫と同じ
日本にいる猫の祖先をたどれば、すべて外来種です。
しかし、それは犬だって同じです。
家畜化されたオオカミこそ犬の起源であり、その場所が日本だったか海外だったかの違いしかありません。
そして、すでに述べた通り、外来種でも固有種となり得ます。
つまり、動物は地域の気候や文化に応じて独自の進化を遂げるのであり、それこそが固有種の起源となります。
日本に猫がやってきたのは、いつ?
もともと、日本に猫がやってきたのは奈良時代から平安時代にかけてとされ、それを根拠に外来種と言われてきました。
ところが、近年、長崎県壱岐島のカラカミ遺跡の発掘によって、弥生時代、場合によっては縄文時代から、日本列島に猫がいたことがわかっています。
ですから、やはり犬と大きな差はないことになりますし、日本の猫も独自に進化する余裕が十分あったことになります。
猫は日本人が初めて飼ったペット?
日本の猫も長い歴史を生きていることになりますが、それなのに固有種が思いつかないのは、なぜでしょうか?
実は、日本にも和猫(日本猫)という固有種がいます。
「言葉遊び?」といぶかしがる人もいると思いますので、このあたりから話を始めましょう。
日本では「猫は猫」だった?
すでに見た通り、近年の発見により、日本の猫の起源はどんどん古くなっています。
それでも変わらない事実は、日本の猫は放し飼いが一般的だったということです。
ですから、日本人から見れば、屋外の猫を区別する意識が乏しかったわけです。
海外に比べると、スコティッシュフォールドとかペルシャといった明確な品種に育たなかった要因も、そこにあります。
高貴な方々は愛猫家だった?
放し飼いが一般的だったという説に対しては、反論もあります。
猫は書物等を鼠から守るために飼われており、脱走しないようにつながれていたという主張です。
確かに、平安時代の宇多天皇や一条天皇が愛猫家だった話は有名で、猫は日本人が初めて飼ったペットだと言われる理由も、そこにあります。
戦後、和猫の貴重さに気づく?
放し飼いだろうと室内飼いだろうと、過去の日本人にとって猫の品種を区別するという意識が乏しかったことに変わりはありません。
むしろ、毛色や模様等で呼び分けるのが一般的で、その名残は今もあると思われます。
サバシロ、キジトラ、チャトラといった呼び方です。
そんな日本の猫を「和猫」として区別する意識は、戦後急速に高まったと言われています。
その理由は、いわゆる洋猫が海外から入ってくるようになったからです。
野良猫の増加と混血の進行
愛猫家の方々には周知のことですが、海外の猫の品種は実に多いですよね。
それは、純粋な血統を維持しようとする、たゆまぬ努力の証です。
それに対し、日本では猫をひとくくりに扱う風潮が長く続いたわけです。
そうした風潮は、和猫に危機をもたらします。
洋猫との混血
戦後、多くの洋猫が輸入されました。
しかし、遺棄する無責任な飼い主も残念ながら存在しました。
遺棄される洋猫の影響もあり、その結果、在来の和猫との混血が進行します。
こうなると、和猫の固有性に対する無理解は、深刻な結果を招いてしまいます。
平岩米吉氏の奮闘
猫に限らず、種の保存への意識が急速に高まったのも戦後なので、和猫の保護が特別に遅かったわけではありません。
ただ、長らく「猫は猫」と考えられてきた日本で、和猫の固有性に対する意識を高めるのは、決して容易ではありませんでした。
そこで奮闘したのが、平岩米吉(ひらいわよねきち)という動物学者で、和猫の血統維持の必要性を唱えます。
混血種(ミックス)と外来種論争
平岩氏と関係団体の尽力もあり、次第に和猫は固有種として認識されていきます。
洋猫との対比があって、初めて和猫は地位を確立したわけです。
しかし、まだまだ無理解に基づく議論も見られるため、今後も努力が必要であることに変わりはありません。
和猫とミックスの混同
気になることとしては、和猫とミックス(混血種)を区別しないままの議論があります。
つまり、日本に猫の固有種はない、あるいは混血によって誕生したのが和猫なのだから、血統という概念は存在しないといった議論です。
しかし、すでに見た通り、長い時間をかけて動物は適応・進化します。
日本列島の猫も、場合によっては縄文時代から何千年もかけて進化してきたのです。
日本は島国ですから、外からの影響も少なかったと言えます。
外来種と見なす風潮
和猫と洋猫を区別せず、猫を外来種とひとくくりにする風潮にも、根強いものがあります。
そんなことを言えば、犬を含めた愛玩動物のほとんどは外来種です。
野良猫、あるいはもっと野生化した野猫が、ある地域の固有種に脅威を与えているのは、その通りです。
しかし、和猫も立派な固有種という前提を決して忘れず、安易に「外来種だから」という理由づけはしないようにしたいものです。
日本の猫は再び純血種になっていく?
和猫をめぐる動きには、まだ注意が必要です。
一方、明るい兆しも見えています。
それが、保護猫活動の広まりです。
保護猫活動や地域猫活動が和猫を守る
最近では、猫も原則室内飼いという意識が徹底されています。
これらの意識改革により、和猫と洋猫の望まぬ混血という事態は、以前に比べれば可能性が低くなっています。
和猫がいてこそ洋猫も輝く!
野良猫や野猫が減れば、それだけ和猫の血統が守られる可能性も高くなります。
さらに、洋猫に対する過剰な警戒心も薄らいでいくでしょう。
つまり、和猫を固有種として意識し、その血統を守ろうとする取り組みが、回りまわって洋猫の魅力も引き立てるのです。
今後長い時間をかけて、和猫はさらに固有種として進化を遂げていくでしょう。
まとめ
今回は、意外と知らない、日本人と猫の長い付き合いについて見てみました。
日本にも和猫という立派な猫の種類があるのであり、日本人にとって猫は外来種というような、安易な思い込みは見直す必要があると言えます。
すでに見た通り、犬や羊など、人間が家畜化した動物はすべて外来種ですから、猫を特別視することはできません。
また、外来種というカテゴリー自体が、人間の意図的な線引きという一面もあります。
動物を愛する人たちそれぞれの取り組みが、和猫という猫の種類を明確に意識し、その保護にもつながるのです。
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